KEMA Column
同じシャンプー、同じトリートメントを使っているのに、美容室で乾かしてもらった日だけ、髪がつるんとまとまる。そんな経験はありませんか。あの差は、特別な道具や高価な薬剤だけで生まれているわけではありません。大きな理由のひとつが「乾かし方」です。
髪は、乾く瞬間の状態をそのまま覚える性質を持っています。つまりドライヤーの時間は、ただ水分を飛ばす作業ではなく、その日の髪の仕上がりを決める時間。この記事では、美容の知識がなくても今夜からすぐ試せるように、乾かす前の準備から、順番、風の当て方、仕上げまでを、理由と一緒にていねいに解説します。
この記事でわかること
- 乾かし方で髪の仕上がりが変わる理由
- 乾かす前にやっておきたい3つの準備
- 傷ませない乾かし方の6ステップ
- 髪質・スタイル別のコツと、やりがちなNG習慣
目次
なぜ「乾かし方」で髪は変わるのか
理由は大きく2つあります。どちらも、髪のしくみを知ると納得できるものです。
理由1:濡れた髪は、とてもデリケートだから
髪の表面は、キューティクルと呼ばれる、うろこ状の薄い膜で覆われています。乾いているとき、このうろこはぴったり閉じて髪の内部を守っていますが、水を含むと髪全体がふくらみ、うろこが開きやすい状態になります。
うろこが開いた髪は、こすれに弱くなります。濡れた髪をタオルでゴシゴシふいたり、濡れたまま枕に押しつけたりすると、キューティクルがはがれたり欠けたりしやすくなるのです。だから、濡れている時間をできるだけ短くすること、そして濡れている間はやさしく扱うことが大切になります。
理由2:髪は「乾く瞬間の形」を覚えるから
髪の形は、髪の内部にある「水素結合」という結びつきによって保たれています。この結びつきは、水に濡れると切れ、乾くともう一度つながる、という性質を持っています。
寝ぐせが、手でなでつけても直らないのに、水で濡らして乾かすと直るのは、このためです。濡らすことで結びつきをいったんリセットし、整えた形で乾かすことで、その形のまま結び直しているのです。
自然乾燥をおすすめしない3つの理由
「ドライヤーの熱は髪に悪そうだから、自然乾燥のほうがやさしいのでは?」と考える方もいらっしゃいます。お気持ちはよく分かりますが、私たちは、次の3つの理由から自然乾燥はおすすめしていません。
- 濡れている時間が長くなる:キューティクルが開いたままの無防備な状態で、服や枕との摩擦を受け続けることになります。
- 頭皮が湿ったままになる:湿った状態が長く続くと、頭皮のベタつきやニオイが気になりやすくなります。
- 形が整わないまま乾く:うねりや広がり、寝ぐせの原因になります。翌朝のスタイリングに余計な時間がかかってしまいます。
もちろん、高温の風を近くから当て続ければ、それも髪の負担になります。大切なのは「ドライヤーを使うか、使わないか」ではなく、「どう使うか」。熱の当て方にさえ気をつければ、手早く乾かすほうが髪にはやさしいと考えられています。
乾かす前の準備3つ
きれいに乾かせるかどうかは、じつはドライヤーを持つ前にかなり決まっています。ポイントは3つです。
1タオルドライは、こすらず「はさんで押す」
頭皮は、タオルの上から指の腹でやさしく押さえるようにして水分を取ります。毛先は、タオルではさんで、ポンポンと押さえるだけ。髪から水がしたたらなくなるまで行いましょう。ここを丁寧にするほどドライヤーの時間が短くなり、髪に熱を当てる時間も減らせます。

2目の粗いコームで、毛先からとかす
絡まったまま乾かすと、風で髪がさらに絡まり、引っぱられて切れ毛の原因になります。目の粗いコームか手ぐしで、まず毛先の絡まりをほどき、少しずつ上に移動していくのがコツです。濡れた髪は伸びやすく切れやすいので、力まかせに引っぱらないようにしましょう。
3洗い流さないトリートメントをつける
ドライヤーの熱と、乾かすときの摩擦から髪を守るための、大切なひと手間です。傷みやすい中間から毛先を中心に、手のひらでよく伸ばしてからなじませます。根元につけるとベタつきやぺたんこの原因になるので、避けましょう。
KEMAのラインナップで、ドライヤー前のケアにとくに向いているのが次の2つです。

KEMA ペンタSオイル
ドライヤーやアイロンの前につける「熱対応オイル」。天然オイル由来のコーティングが髪を熱から守ります。オイルなのにベタつかず、細い髪・やわらかい髪の方にも。
¥5,940 (税込)

KEMA ミラクルボンドバーム
ケラチン・シルク・コラーゲンの複合アミノ酸で内側を補修し、ツバキ油・ホホバ油で外側をコーティング。カラーやパーマでパサつく髪の、洗い流さない高補修トリートメント。
¥4,290 (税込)
迷ったときの目安は、髪が細くて軽さを残したい方は「ペンタSオイル」、パサつきや枝毛などダメージが気になる方は「ミラクルボンドバーム」です。
傷ませない乾かし方 6ステップ
準備ができたら、いよいよドライヤーです。順番を変えるだけで、仕上がりもかかる時間も変わります。
1まず「根元」から乾かす
髪が密集している根元と頭皮は、いちばん乾きにくい場所です。反対に毛先は、放っておいても先に乾きます。毛先から乾かし始めると、根元が乾くころには毛先が乾きすぎてパサパサに。指を髪の内側に入れ、地肌を軽くこするように左右に動かしながら、根元に風を送りましょう。

2前髪と顔まわりは、早めに
前髪や顔まわりは髪が細くて乾きやすく、クセもつきやすい場所です。自然に乾いてしまう前に、早めに整えておきましょう。前髪は、根元を指で左右に振りながら、右からも左からも風を当てると、分け目がぱっくり割れにくくなります。
3風は「上から下へ」当てる
キューティクルのうろこは、根元から毛先に向かって重なっています。ドライヤーを頭より高い位置で持ち、根元から毛先の方向へ風を当てると、うろこがきれいに整い、ツヤが出やすくなります。下からあおるように風を当てると、うろこが逆立ち、広がりやパサつきの原因になります。
4ドライヤーは離して、小きざみに振る
髪との距離は、15〜20cmほどが目安です。同じ場所に熱が集中しないように、ドライヤーを小きざみに振りながら乾かします。「熱い」と感じたら近すぎるサインです。
58割乾いたら、中間から毛先を整える
全体が8割ほど乾いたら、手ぐしで髪を軽く下に引っぱりながら、中間から毛先に上から風を当てます。軽く引っぱることで、うねりが伸び、まとまりやすくなります。毛先は乾きやすいので、最後にさっと風を通す程度で十分です。
6最後に「冷風」で仕上げる
温風で乾かした直後の髪は、まだ形が落ち着いていません。全体に冷風を当てて熱を取ることで、整えた形が安定し、ツヤとまとまりが出やすくなります。また、温かいうちは乾いたかどうかが分かりにくいもの。冷風を当ててから触ると、乾かし残しにも気づきやすくなります。
髪質・スタイル別のコツ
基本の6ステップは共通ですが、髪質やスタイルによって、少し意識したいポイントが変わります。ご自身に近いものを参考にしてください。
くせ・うねり・広がりが気になる方
根元が生乾きのままだと、時間がたってからうねりが出てきます。根元をしっかり乾かすことを最優先に。ステップ5の「軽く引っぱりながら、上から風」を丁寧に行い、必ず冷風で仕上げましょう。
髪が細く、ぺたんとしやすい方
根元を、いつもの分け目とは逆の方向に倒しながら乾かすと、ふんわり立ち上がります。下を向いて、後頭部から前へ向かって風を当てるのも効果的です。洗い流さないトリートメントは少量を毛先だけに。つけすぎは、ぺたんこの原因になります。
パーマ・ウェーブスタイルの方
根元を乾かしたら、毛先は手のひらにのせて、下から持ち上げるようにしながら弱い風で乾かします。手ぐしで引っぱったり、こすったりすると、カールがほどけてしまうので注意しましょう。
ロングヘア・髪の量が多い方
髪を上下2段に分け、上の髪をクリップで留めてから、内側の髪を先に乾かすと、乾かし残しがなくなり、結果的に時間も短くなります。
ショート・ボブの方
後頭部は、下から手を入れて持ち上げるように乾かすと、丸みが出ます。広がりやすいハチまわり(頭の横の張っている部分)は、上から手で軽く押さえながら風を当てると、おさまりがよくなります。
やりがちなNG習慣と、その代わりにしたいこと
毎日のことだからこそ、無意識のクセが髪の負担になっていることがあります。当てはまるものがないか、チェックしてみてください。
| やりがちなこと | なぜよくないの? | 代わりにしたいこと |
|---|---|---|
| タオルでゴシゴシふく | 濡れた髪はキューティクルが開き、摩擦に弱い | タオルではさんで、押さえる |
| タオルを巻いたまま長時間すごす | 髪も頭皮も濡れた状態が続いてしまう | お風呂から出たら、なるべく早く乾かし始める |
| 毛先から乾かす | 毛先は乾きすぎ、根元は生乾きになりやすい | 根元から乾かす |
| ドライヤーを近づけて一か所に当てる | その部分だけが高温になる | 15〜20cmほど離して、振りながら当てる |
| 下から風を当てる | キューティクルが逆立ち、広がりやすい | 上から下へ風を当てる |
| 半乾きのまま寝る | 枕との摩擦、寝ぐせ、頭皮のベタつきの原因に | 冷風を当ててから触り、乾き具合を確認する |
乾かしたあとの仕上げ
しっかり乾いたら、最後のひと手間です。乾かしたあとの髪に少量のオイルやバームをなじませると、表面が整ってツヤが出るだけでなく、空気の乾燥や摩擦からも髪を守ることができます。
つけ方のコツは「少なすぎるかな」と思うくらいの量から始めること。ペンタSオイルなら1〜2滴を手のひら全体によく伸ばし、まず毛先、次に中間へ。髪の表面は、手に残った分で軽くなでる程度で十分です。

オイルの質感が苦手な方や、髪が細くて重くなりやすい方には、軽い使い心地のリーブインバームもおすすめです。
ヘアアイロンを使う日は
アイロンやコテは、髪が完全に乾いてから使うのが鉄則です。濡れた髪や半乾きの髪に高温のプレートを当てると、髪の中の水分が一気に熱せられ、大きな負担になります。アイロンの熱ダメージについては、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
よくある質問
ドライヤーは、何分くらいが目安ですか?
髪の長さや量によって大きく変わるため、「何分」とは一概に言えません。時間を短くするいちばんのコツは、タオルドライを丁寧にすることです。根元から乾かす順番を守るだけでも、体感できるくらい短くなります。
温風は使わず、冷風だけで乾かしたほうが髪にいいですか?
冷風だけだと乾くまでに時間がかかり、髪が濡れている時間が長くなってしまいます。温風で手早く乾かし、最後に冷風で仕上げる方法が、現実的で髪にもやさしいと私たちは考えています。
夜しっかり乾かしても、朝になるとハネてしまいます。
根元に乾かし残しがあると、寝ている間にクセがつきやすくなります。それでもハネてしまった朝は、毛先だけを濡らすのではなく、ハネている部分の根元から濡らして乾かし直すと、直りやすくなります。
オイルは、乾かす前と後、どちらにつけるのが正解ですか?
どちらにも役割があります。乾かす前は熱と摩擦から守るため、乾かした後はツヤとまとまりのため。両方行う場合は、つけすぎにならないよう、乾かす前をメインにして、乾かした後はごく少量にするのがおすすめです。
高価なドライヤーでないと、きれいに乾かせませんか?
風量の大きいドライヤーには、乾かす時間が短くなるというメリットがあります。ただ、道具を変える前に、まず乾かし方を見直してみてください。順番と風の向きを変えるだけで、いまのドライヤーでも仕上がりは変わります。
まとめ ─ ドライヤーの時間は、髪を整える時間
乾かす前に、やさしく水分を取り、髪を守るものをつける。根元から乾かし、風は上から下へ。最後に冷風で形を落ち着かせる。ひとつひとつは小さなことですが、毎日くり返すことだからこそ、数週間後の髪の手ざわりに差が出てきます。
新しい製品を買い足す前に、まずは今夜、順番だけを変えてみてください。いつものドライヤーの時間が、髪を整える時間に変わるはずです。
