KEMA Column
韓国の食トレンドは、移り変わりの速さそのものが文化です。昨年の主役が今年は定番になり、また新しい顔ぶれがカフェの棚に並ぶ。2026年の夏、ソウルの街角ではいったい何が食べられているのでしょうか。今回はヘアケアをひと休みして、いま韓国で流行中の夏グルメをめぐる旅へ。最後には、「食べること」と「髪を整えること」がひとつにつながる、韓国らしい美意識の話も。
街が緑に染まる——止まらない抹茶(マッチャ)ブーム
2025年の夏頃から韓国で一気に広がったのが、世界的な流行とも重なる抹茶ブームです。人気アーティストが抹茶好きを公言したことも追い風となり、カフェのメニューには抹茶ラテ、飲料や菓子メーカーからは抹茶味の新商品が続々。スーパーの棚が緑一色になり、抹茶マッコリや抹茶ハイボール、抹茶クリームトッポッキといった大胆なアレンジまで登場しました。
2026年はこの流れがさらに進み、産地や点て方にこだわる「K-MATCHA」という言葉も聞かれるようになっています。ほろ苦さと香りを静かに楽しむ抹茶は、刺激的な甘さを競ってきた韓国スイーツの世界に、少し落ち着いたトーンを持ち込んだ存在ともいえそうです。
ひとりぶんの贅沢、カップピンス
韓国のかき氷「ピンス(빙수)」といえば、山盛りの氷を数人で囲むのが定番でした。その常識を変えたのが、テイクアウトカップに一人前を詰めた「カップピンス」。大手コーヒーチェーンが競うように発売し、歩きながら、あるいはデスクで、ひとりで気軽に楽しめるスタイルが支持を集めています。
背景にあるのは、韓国で進む「ホンパプ(ひとりごはん)」文化の定着です。誰かと分け合う前提だったごちそうが、ひとりぶんのサイズに再設計されていく。カップピンスは、その象徴のようなスイーツです。マンゴーやきなこ、ミルクティーなど味の展開も豊富で、この夏ソウルを歩けば、片手にカップピンスという光景に必ず出会うはずです。
次の主役は紫色——ウベと、進化するフローズンヨーグルト
2026年のスイーツシーンで存在感を増しているのが、フィリピン原産の紫芋「ウベ」です。淡いラベンダー色のクリームやソフトクリームは写真映えも抜群で、ソウルのデザートカフェでは、ウベラテやウベケーキが次々にメニュー入りしています。ドバイチョコレート、タンフルと続いてきた「色と食感で驚かせる」系譜の、いちばん新しい顔といえるでしょう。
一方で、健康志向の流れから人気が再燃しているのがフローズンヨーグルトです。ベリーやバナナにはちみつを添えた組み合わせが定番で、「罪悪感の少ない甘さ」が支持の理由。派手さのウベと、ヘルシーさのフローズンヨーグルト。2026年の韓国スイーツは、この二方向が並走しています。
麺の世界も進化中——ニューウェーブなカルグクス
スイーツだけではありません。食事の分野で注目されているのが、包丁で切った小麦麺を使う韓国式うどん「カルグクス」です。昔ながらのアサリ出汁や牛骨スープに加え、直火焼きの鶏肉を豪快にのせたものや、地方の郷土食材を使ったものなど、SNS映えも意識した“進化系カルグクス”が続々と登場。ひとりでも入りやすい店構えも、いまの時代の空気に合っています。
それでも夏の真ん中には、参鶏湯がある
新しいトレンドが生まれても、韓国の夏の中心にあり続けるのが「伏日(ポンナル)」の参鶏湯(サムゲタン)です。伏日とは夏の最も暑い時期にあたる三日(初伏・中伏・末伏)のこと。この日、韓国の人々は熱々の参鶏湯を汗をかきながら食べ、暑さで消耗した体力を養います。
「以熱治熱(イヨルチヨル)」——熱をもって熱を制す、という考え方です。冷たいものばかりに頼らず、あえて温かいものを取り入れて体の内側を整える。高麗人参、なつめ、にんにくを詰めた丸鶏のスープには、季節と体の関係を見つめてきた韓国の知恵が凝縮されています。
締めくくりは、氷の張った冷麺で
そしてもうひとつ、夏の韓国に欠かせないのが冷麺(ネンミョン)です。氷の浮かぶ澄んだスープに、コシの強いそば麺。梨ときゅうりの涼やかな甘みが、火照った体にすっと染みわたります。焼肉の締めに、参鶏湯の翌日に、あるいはそれだけを目当てに老舗へ。屋台で売られるスイカジュース(スバクチュス)とともに、韓国の夏の原風景といえる味です。
流行がどれだけ移り変わっても、季節の定番は静かに残り続ける。新しさと伝統が同じテーブルに並ぶところに、韓国の食文化の豊かさがあります。
KEMAが受け継ぐ、韓国の美意識
「内側から整える」という韓国の食の哲学は、そのまま韓国ヘアケアの哲学でもあります。表面をコーティングして取り繕うのではなく、髪の内部に必要なものを届けて、芯から立て直す。KEMAが先進のリポソーム技術で補修成分を髪の最深部へ届けることにこだわるのは、この美意識——秩序・均衡・調和——を受け継いでいるからです。
旅先のソウルでカップピンスを片手に歩くときも、日本の自宅で韓国気分にひたる日も、髪は意外なほど夏の環境にさらされています。おいしいものと同じように、髪にも「内側から効くもの」を選んであげてください。
