KEMA Column
その海のそばで、コーヒーを。済州島カフェめぐり
韓国・済州島(チェジュド)は、「韓国のハワイ」とも称される自然豊かな島。ソウルから飛行機でわずか1時間、けれど降り立った瞬間に空気の色が変わる——そんな非日常が待っています。透き通った青い海、火山が生んだ黒い玄武岩、みかん畑が広がるのどかな風景。近年はこの絶景を切り取ったカフェが次々とオープンし、「カフェのために済州へ飛ぶ」という韓国女子まで現れるほど。今回は、海を眺めながらの一杯から地元民の隠れ家まで、済州島のカフェシーンをたっぷりご案内します。読み終わる頃には、きっと航空券を検索したくなっているはずです。
なぜ済州島は「カフェ旅の聖地」になったのか
ソウルの喧騒を離れ、豊かな自然の中でゆっくりとコーヒーを楽しむ。そんな体験を求めて、多くの韓国人が済州島へ向かうようになりました。火付け役となったのは2010年代後半のSNSブーム。海を背景にしたラテ一枚の写真が何万件と拡散され、「あの席に座りたい」という憧れが観光の動機そのものになっていったのです。
済州島のカフェが特別なのは、その建築とロケーションにあります。玄武岩(済州特有の黒い溶岩石)を積んだ壁、天井まで届くガラス窓、海へせり出したテラス——ソウルの洗練されたカフェとはまた違う、自然と一体化した開放感が魅力です。さらに済州は牛乳・みかん・お茶といった素材の宝庫。地の恵みを使ったご当地ドリンクも、島カフェ人気を支える立役者になっています。今や「済州=カフェめぐり」は、海水浴や登山と並ぶ観光の定番コースなのです。
まずはここから|済州島カフェ・3つの楽しみ方
広い済州島、やみくもに回ると移動だけで一日が終わってしまいます。まずは自分の「気分」でエリアを選ぶのがおすすめ。ざっくり3つのスタイルに分けてみました。
① 絶景に浸りたいなら「海側」——愛月(애월・エウォル)を中心とした西海岸エリア。エメラルドの海を独り占めできる大型カフェが集まります。
② 本格コーヒーを味わうなら「街側」——済州市内。観光地化されていない、地元の常連が通うスペシャルティ専門店が狙い目。
③ 自然の中で癒やされたいなら「南側」——西帰浦(ソギポ)。みかん畑や滝に囲まれた、半日ぼんやり過ごせる森カフェが点在します。
この記事も、この3エリアに沿ってご紹介していきます。気になるスタイルから読み進めてみてください。
海を望む絶景カフェ|애월(エウォル)エリアのおすすめ
済州島カフェの最大の魅力は、なんといっても絶景ロケーション。海岸沿いに建つカフェからは、天気の良い日にはエメラルドグリーンの海が水平線まで広がります。なかでも愛月(애월)エリアは「済州のカフェ通り」と呼ばれるほど海ビューカフェが密集する激戦区。旅行者も地元民も、こぞってこの海岸線を目指します。
▶ カフェ モンサンドゥエウォル(카페 몽상드애월)
愛月海岸沿いに建つ、済州島を代表する絶景カフェ。実はここ、韓国の人気アイドルグループBIGBANGのG-DRAGONがプロデュースしたことで一躍有名になったスポットです。ガラス張りの大きな窓いっぱいに青い海が広がり、夕方にはオレンジ色に染まる水平線が圧巻。チェジュ産牛乳を使ったラテや手作りスコーンが人気で、週末は開店前から行列ができるほど。海に一番近いテラス席は争奪戦なので、狙うなら平日の午前中が正解です。
▶ Anthracite Coffee(앤트러사이트)愛月店
ソウル・弘大でも指折りのスペシャルティコーヒーブランドが、済州・愛月に出店。海沿いの廃倉庫を大胆にリノベーションした空間は、むき出しのコンクリートとガラスが調和するインダストリアルな雰囲気。無機質な建物と済州の青い海の対比が、なんとも言えず絵になります。シングルオリジン豆のハンドドリップは、コーヒー好きなら一杯の価値あり。「映え」だけじゃない、味で選びたい人に。
▶ By the Sea(바이더씨)
黒ゴマラテ「흑임자 라테(フギムジャ・ラテ)」で一気に火がついたカフェ。海辺に佇む小屋のような外観と、墨のように深い黒ゴマラテのビジュアルはSNSで爆発的に拡散され、連日行列の人気店に。香ばしくて優しい甘さの黒ゴマラテは、実は韓国では「体に良い伝統素材」として愛されてきた味。済州の海を眺めながらいただけば、フォトジェニックさと美味しさの両取りです。
済州市内エリア|地元民に愛されるスペシャルティカフェ
絶景カフェも良いけれど、「本当に美味しい一杯を、静かに味わいたい」。そんな気分の日は済州市内へ。탑동(タプドン)や구도심(旧市街)といったエリアには、観光客よりも地元の常連に支持される本格派が点在しています。派手さはなくても、コーヒーそのもので勝負する——そんな骨太なカフェが揃うのがこのエリアの魅力です。
▶ ZECT Coffee(젝트 커피)
済州市内屈指のスペシャルティコーヒー専門店。世界各地から厳選した生豆を自家焙煎し、一杯ずつ丁寧に抽出する香り高いコーヒーは、口コミでじわじわ広がる隠れた名店。シンプルでモダンな内装は、余計なものを削ぎ落とした潔さ。おしゃべりよりも、目の前の一杯とゆっくり向き合いたくなる空間です。豆の販売もあるので、旅の記念に持ち帰るのもおすすめ。
▶ 탑동(タプドン)海辺のローカルカフェ
탑동海岸公園沿いに並ぶカフェは、地元客が多く価格もリーズナブル。観光地価格に疲れたら、このあたりでひと休みを。済州産みかん「한라봉(ハルラボン)」を使ったスムージーや、島の素材を活かした軽食を味わいながら、観光地化されすぎていない“素の済州”の日常を感じられます。夕暮れ時、散歩がてら地元の人に混じって過ごす時間は、ガイドブックには載っていない旅の醍醐味です。
西帰浦(ソギポ)エリア|自然×カフェの癒やし空間
島の南側・西帰浦(ソギポ)は、正房瀑布(정방폭포)や天地淵瀑布(천지연폭포)といった名瀑が近く、緑の濃い自然に恵まれたエリア。ここのカフェは「絶景を眺める」というより「自然に包まれる」感覚。時間の流れがゆっくりになる、そんな森と水の癒やし空間が点在しています。
▶ 봄날(ポムナル/春の日)
「春の日」という名の通り、みかん畑と小川に囲まれた、自然そのものを活かしたカフェ。木のぬくもりある家具、緑があふれるガーデン、大きな窓から差し込むやわらかな光——五感がほどけていくような居心地の良さです。済州産果物のフレッシュジュースやケーキを片手に、気づけば半日過ごしていた、なんてことも。人気ドラマのロケ地としても知られ、聖地巡礼で訪れるファンも多いスポットです。
▶ 이중섭 문화거리(イ・ジュンソプ文化通り)周辺カフェ
韓国を代表する画家・李仲燮(이중섭)がかつて暮らした地に広がる文化通り。ここにはアートギャラリーと融合した個性的なカフェが点在します。地元アーティストの作品を眺めながらのコーヒーは、まるで小さな美術館でひと息つくよう。坂道に沿ってお店を見て回る“文化さんぽ”そのものが、西帰浦ならではの楽しみ方です。
済州島カフェで味わいたい|ご当地フード&ドリンク図鑑
済州島のカフェの醍醐味は、島の名産をふんだんに使った“ここでしか飲めない・食べられない”限定メニュー。旅の前にチェックしておきたい、代表選手をご紹介します。
・한라봉(ハルラボン)ラテ……済州原産のみかん「한라봉」のシロップ入りラテ。爽やかな柑橘の香りとミルクのまろやかさが溶け合う、島の看板ドリンク。まずはこれを一杯。
・흑임자(黒ゴマ)ラテ……By the Seaで人気に火がついた、香ばしくて優しい甘さの一杯。見た目のインパクトも抜群。
・済州抹茶/緑茶ドリンク……済州は韓国有数のお茶の産地。深い緑のラテやアイスは、大人の島みやげ気分。
・黒豚(흑돼지)サンド&済州いちごスムージー……甘い一杯のお供に。島の恵みをがっつり味わうならこちら。
・溶岩石モチーフのスイーツ……済州名物の玄武岩を模したユニークな形のケーキやパンは、写真映えも◎。
各店のシグネチャードリンクを1軒1杯ずつ制覇していく——そんな“飲みめぐり”も、済州カフェ旅の立派な目的になります。
済州島カフェ巡りのベストシーズン&賢い回り方
済州島は年間を通じて温暖ですが、カフェ巡りのベストシーズンは断然、春(3〜5月)と秋(9〜11月)。特に4月は유채꽃(菜の花)が一面に咲き乱れ、黄色い絨毯を背景にした写真はまさに“今しか撮れない一枚”。愛月のカフェモンサンや봄날周辺は、菜の花シーズンに格別の景観になります。夏は海水浴客で賑わいますが、By the Seaのような海辺カフェを早朝に訪れれば、混雑前の絶景をひとり占めできますよ。
回り方のコツもいくつか。移動はレンタカーがほぼ必須です。カフェは海沿いや山間に点在し、公共交通では効率が悪いため、道案内アプリ「Naver Map(네이버 지도)」を入れておくとスムーズ。Google Mapは韓国では精度が落ちるのでご注意を。人気店は平日&開店直後が鉄則。週末の絶景カフェは1時間待ちも珍しくありません。そして海側は風が強い日が多いので、テラス席狙いなら羽織りものを一枚。せっかくの絶景も、髪が乱れて写真どころではない……なんて“済州あるある”は避けたいところです。
まとめ|済州島カフェ旅を、記憶に残る旅に
済州島は、海・自然・美食・カフェ文化がすべて揃った“ちいさな楽園”。愛月のカフェモンサンで水平線に沈む夕日を眺め、By the Seaの黒ゴマラテに驚き、西帰浦の봄날でみかん畑の風に癒やされる——それぞれのカフェで刻む記憶が、旅そのものを豊かにしてくれます。次の休みは、お気に入りの一杯を探しに済州へ飛んでみませんか。
そして旅先の風や日差しは、肌だけでなく髪にとってもなかなかの試練。海風にさらされた一日の終わりには、丁寧なヘアケアで髪をいたわってあげてください。旅の思い出とともに続く美容ルーティンとして、韓国の美意識から生まれたKEMAのヘアケアシリーズも、ぜひお供に。
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