韓国のグルメシーンは、常に新しいトレンドを生み出し続けています。2024年に特に注目を集めたのは、SNSで爆発的に拡散した映え食材やヘルスコンシャスなドリンク、さらには動画コンテンツが火をつけた料理の数々。本記事では、現地のカフェや屋台、レストランで実際に体験できる最新トレンドを徹底解説します。韓国旅行の計画をお持ちの方も、日本で韓国グルメを楽しみたい方も、ぜひ参考にしてみてください。
1. タンフル(糖葫蘆)―屋台発、SNS経由で世界へ
タンフル(糖葫蘆・당후루)は、もともと中国北部の伝統的な屋台グルメです。山査子(サンザシ)を飴でコーティングした串菓子が起源で、北京の冬の風物詩として何百年もの歴史を持ちます。それが韓国に渡り、イチゴやマスカット、チェリートマトなど多様なフルーツを使ったアレンジが加えられ、より華やかで現代的なスイーツへと進化しました。
タンフルの最大の魅力は、パリッとした飴の食感と、中に閉じ込められたフレッシュなフルーツの瑞々しさのコントラストです。透明感のあるコーティングが光を反射し、スマートフォンのカメラを向けると思わず映える写真が撮れることから、SNSで一気に拡散しました。価格も比較的リーズナブルで、食べ歩きしやすいサイズ感も若い世代に支持された理由のひとつです。
ソウルの弘大(ホンデ)や明洞(ミョンドン)の屋台エリアには、タンフル専門の出店が軒を連ねています。日本でも韓国系スイーツショップや期間限定ポップアップで楽しめるようになっていますが、やはり現地で食べ歩く体験は格別です。購入後はすぐに食べ始めるのが、飴を一番パリッとした状態で楽しむコツです。
2. ドバイチョコ―中東発、世界を席巻したチョコレート
ドバイチョコ(두바이 초콜릿)は、UAE発のチョコレートブランド「Fix Dessert Chocolatier」が生み出したピスタチオ&カダイフクリームを詰めたバーチョコレートです。2023年後半にTikTokで「食べてみた」動画が世界的にバズり、2024年には韓国でも入手困難になるほどの品薄状態が続きました。カダイフは中東の伝統的なパスタ生地で、サクサクとした食感がチョコレートの濃厚さと絶妙にマッチします。
ドバイチョコが爆発的に流行した背景には、チョコレートを割った瞬間にトロッとクリームが溢れ出すASMR的な映像美があります。緑のピスタチオクリームとカダイフの組み合わせは見た目にも美しく、「開封動画」がSNSで何千万回も再生されました。韓国では大手コンビニが独自のドバイチョコ風商品を次々と発売し、スーパーやカフェでも類似品が登場しました。
本場のFix Chocolatierの商品はオンラインでも購入できますが、韓国旅行中は百貨店の輸入菓子コーナーやチョコレート専門店で入手できる場合があります。「ピスタチオチョコ」「카다이프 초콜릿」と検索すると、現地発のクリエイティブなアレンジ版を見つけられることもあります。
3. クロッフル―カリカリ食感のカフェスイーツ
クロッフル(크로플)は「クロワッサン」と「ワッフル」を組み合わせた造語で、クロワッサン生地をワッフルメーカーで焼いたスイーツです。外側はパリッとした層状の食感、内側はバター風味の柔らかい生地が広がる贅沢な組み合わせで、2020年頃から韓国のカフェで徐々に広まり始めました。コロナ禍の自宅時間に家庭でも再現されたことで、より広い層に知られるようになりました。
クロッフルが韓国カフェ文化に定着した理由は、バリエーションの豊富さにあります。シンプルなバター味からアイスクリームのトッピング、ヌテラやクリームチーズとの組み合わせ、さらにはセイボリー系(チーズや生ハム)まで、一枚の生地が無限のアレンジを生み出します。また、ワッフルよりも断面の層が美しく映えるため、カフェ巡りをするインスタグラマーたちに特に人気です。
ソウルの延南洞(ヨンナムドン)や聖水洞(ソンスドン)など、インスタ映えカフェが集まるエリアでは、必ずと言っていいほどクロッフルをメニューに持つカフェが見つかります。アイスクリームを乗せたバージョンが特に人気で、作りたてを食べることでサクサク感を最大限に楽しめます。
4. マーラー料理(麻辣)―痺れる辛さが止まらない
マーラー(麻辣・마라)は、花椒(ホワジャオ)の「麻(しびれる辛さ)」と唐辛子の「辣(鋭い辛さ)」を組み合わせた中国四川省発祥の味覚です。もともと中国の鍋料理「マーラーホットポット(麻辣火鍋)」として知られていましたが、韓国では2010年代中頃から中華料理ブームの波に乗り、独自の発展を遂げました。マーラータン(麻辣烫)やマーラーシャンギュオ(麻辣香锅)といったスタイルが特に人気を集めています。
花椒が引き起こす「しびれ感(麻感)」は、通常の辛さとは異なる独特の感覚で、一度体験すると「マーラー中毒」と呼ばれるほどクセになります。韓国では辛さへの耐性が高い食文化が根付いているため、マーラーの刺激的な味わいは自然に受け入れられ、専門チェーン店が各地に展開されるまでになりました。辛さのレベルを選べる店も多く、初心者でも挑戦しやすい環境が整っています。
ソウルの大学路(テハンノ)周辺や新林洞(シルリムドン)には、リーズナブルに楽しめるマーラー専門店が密集しています。具材を自分で選んでスープで煮るスタイルのマーラータンは、野菜たっぷりの食べ方もできるのでヘルシー志向の方にも支持されています。辛さが苦手な方は「辣なし・花椒のみ」のオーダーも可能な店があるので、スタッフに相談してみましょう。
5. 黒白料理師(흑백요리사)―Netflixが生んだ料理界の新スター
「黒白料理師:料理階級戦争(흑백요리사)」は、2024年9月にNetflixで配信が始まった韓国発の料理対決リアリティ番組です。「白(白衣の料理師)」と呼ばれる既に名を馳せたトップシェフたちと、「黒(黒衣の料理師)」と呼ばれる無名の実力派シェフたちが料理の腕を競うという革新的なコンセプトが話題を呼び、配信直後からアジア全域でトップ10入りを果たしました。
この番組が食トレンドに与えた影響は計り知れません。出場シェフのレストランには予約が取れないほどの行列ができ、番組内で紹介された料理や食材がSNSで検索急上昇を記録しました。審査員や出場者の料理哲学が韓国の食文化における新しい価値観を提示し、「料理人の社会的地位」という議論まで巻き起こしました。
番組を見て韓国を訪れる「聖地巡礼グルメ旅行」も増加しています。ソウル市内の出場シェフのレストランは、予約サイトで数週間先まで埋まることも珍しくありません。旅行前には各シェフのSNSで最新情報を確認し、訪問するレストランは事前予約を強くおすすめします。
6. ゼロカロリー飲料―韓国発ヘルシードリンクの進化
韓国でのゼロカロリー(제로 칼로리)飲料ブームは、2022年頃からコンビニやスーパーで急激に品揃えが拡大し、2024年には市場全体に定着しました。背景には「헬시플레저(ヘルシープレジャー)」と呼ばれる「健康的でも楽しく美味しく」というライフスタイルトレンドがあります。ダイエット中でも罪悪感なく飲みたいという若い世代の需要を受け、コカ・コーラゼロやペプシゼロだけでなく、韓国国産ブランドも続々とゼロシュガー版を展開しました。
注目すべきは、炭酸飲料だけでなく伝統的なシッケ(甘酒)や柚子茶、スジョングァ(シナモン生姜茶)といった韓国伝統飲料にもゼロシュガー版が登場したことです。味の再現度が年々向上しており、「ゼロでも普通のものと変わらない」という評価が定着してきました。特に若い女性を中心に「飲んでも罪悪感ゼロ」という概念がSNSで支持され、消費量が増加傾向にあります。
韓国のコンビニ(GS25・CU・セブンイレブン)には、日本未発売のゼロカロリー飲料が豊富に揃っています。お土産に人気なのは、韓国フレーバー(ユジャ・梅・ざくろなど)のゼロ飲料です。冷蔵コーナーを隅々まで探すと、ユニークなフレーバーのゼロ飲料に出会えます。ホテルでのリラックスタイムや観光の合間に、韓国限定のゼロ飲料をぜひ試してみてください。
7. ゆず・白ぶどうラテ―韓国カフェが生んだ映えドリンク
ゆずラテと白ぶどうラテは、韓国の個人経営カフェが生み出したシグネチャードリンクです。ゆずラテはゆずジャムやゆずシロップをミルクと合わせた甘酸っぱいドリンクで、柑橘の爽やかな香りとミルクのまろやかさが絶妙にマッチします。もともとゆず茶(유자차)は韓国の伝統的な飲み物でしたが、それをラテアレンジにすることでカフェ映えするドリンクへと昇華させました。
白ぶどうラテは清涼感のある甘みと乳白色の美しいグラデーションが特徴で、特に夏季に向けたアイスドリンクとして2023〜2024年にかけてカフェメニューに浸透しました。フレッシュな白ぶどうシロップと牛乳または豆乳を使ったシンプルなレシピながら、その見た目の美しさとやさしい甘みから「SNS映え最強ドリンク」として人気を博しました。
これらの韓国シグネチャードリンクは、ソウルの益善洞(イクソンドン)や北村(ブクチョン)など、伝統的な建築とカフェ文化が融合したエリアで特に多く提供されています。各カフェが独自のシロップを手作りしていることが多く、同じゆずラテでも店によって味が異なるのが醍醐味です。カフェ巡りの際はメニューを細かく確認して、そのお店オリジナルのシグネチャードリンクを探してみましょう。
韓国グルメと美しさは、いつも隣り合わせ
今回ご紹介した7つのトレンドに共通するのは「食べる体験」がSNSや動画コンテンツと密接に結びついている点です。韓国グルメの魅力は味だけでなく、その見た目の美しさ、体験のストーリー性、そして流行の速度感にあります。SPASYSは韓国ビューティーと同じように、韓国グルメのトレンドも引き続きお届けしていきます。次の韓国旅行では、ぜひこれらのグルメを味わってみてください。